2012年3月12日月曜日

将棋で言う形作りとは何ですか?

将棋で言う形作りとは何ですか?


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プロの対戦で「形作り」と言うと、「一手違い」の局面を作ること、であることが多いです。

例えば左の図(第56期名人戦第7局、▲谷川浩司名人-△佐藤康光八段、段位などは当時)。

ここから▲3三銀△同馬▲同金△同玉▲4四桂と進みました。

その瞬間(右の図の後手玉)は▲3二桂成△同銀▲5一角以下の詰めろになっていますが、

先手の玉も△7七桂不成▲同金△9七桂以下即詰みになります

(右の図が投了図。随分広そうな形ですがここからどう応じても詰みます)。



こういう僅差(っぽい)の局面の投了図のほうが美しい? という美意識の問題

(例えば投了図で後手玉が囲いの中=2二にいる状態だと、随分差のついた将棋だなぁ、と見える。

ましてやこの将棋は勝ったほうが名人、という大一番だからなおさら形にもこだわりそう)、

また「こちらの玉を詰まし損なったらそっちの玉を詰ますぞ」という脅し(?)の要素もあります。

トップクラスともなればそうそう間違えたりはしませんが…



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負けるにしても、一手違いの局面を作ることです。


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プロの対局は棋譜が残ります、大差で負けると、ひどい将棋、不出来な将棋と言われ格好が悪いので全身全霊をかけて一手違いの形を目指します、簡単に言うと死に化粧ということになります。


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終盤になり、特に大差がついて、勝敗が明らかな場合に、投了図(対局が終了した状態)が、あと一手余裕があれば相手を詰ませられる、あるいは形成を逆転できるような接戦の形になるよう指し進めること。



あくまで一手違いを狙っていますので、よほど相手が凡ミスをしない限り、逆転のチャンスがほとんどありません。


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自分に詰みがある局面で受けても一手一手となった時に

相手に詰めろをかけて間違えたら詰ませますよ!

って首を出すのだと思います。

だから相手は綺麗に詰ませてあげて

投了となることだと思います。

だから今までは受けてたのが

最後に急に攻めの手をしたら

それが形作りと思っていいでしょうね!


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プロやアマの高段者同士の対局では、お互いに先の先まで手が読めてます。それで完全に詰んでなくても、ある局面までくればもう勝負がついていることは双方とも内心承知してます。そのとき、負けたと思ったほうが早々と投了してもいいのですが、形作りは一種の「滅びの美学」として詰む一歩手前まで指し手を進めることです。そのほうが見た目もスッキリしているし、素人の目にもどちらが勝ったかハッキリ分かります。

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